経皮的硬膜外神経形成術
アメリカのテキサス大学のGB Racz教授が開発した経皮的硬膜外神経形成術は、硬膜外で痛みのもととなる所から一番近い所にアクセスして、神経を圧迫する部位の炎症に薬物を注射して炎症誘発物質を遮断する方法で、神経周囲の癒着を取り除いて痛みを減らすことができる画期的な手術方法である。
適応症
手術を希望しない腰椎椎間板ヘルニア患者、手術では治療ができない疼痛症候群患者に優れた効果を示す。この治療を勧める場合は以下のとおりである。
- 脊椎管狭窄症
- 一部の癌性疼痛
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 交通事故による神経損傷後の疼痛
- 脊椎圧迫骨折
- 脊椎退行性疾患
- 脊椎手術後の疼痛症候群
手術方法
- 手術室で局所麻酔薬を注射する。
- 患者はうつ伏せ姿勢を取って、医者と話しながら手術を行う。
- X-ray透視鏡(C-arm)で尾骨の一番下(仙骨部の隙間)に細い注射針(特殊穿刺針)を突き刺して、これを通じて1mmの細い管を的確に病巣部位にアクセスする。
- 造影剤で手術部位を的確に確認する。
- 細い管を通じて様々な薬物を注入する。
- 手術翌日に二つ目の薬物を注入するために細い管を硬膜外に挿入して皮膚に固定する。
- 手術翌日に二つ目の薬物を注入してから管を取る。
手術のメリット
- 局所麻酔薬で済んで、全身麻酔による様々な合併症は起きない。
- 怖くて手術を回避する患者に最適な治療法。
- 手術後の傷は残らない。
- 来院当日に手術を受けて、手術翌日に薬物の注入後すぐ退院することができる。
- 高齢患者も手術を受けることができる。
- 1mmの細い管で痛みの原因を直接的に取り除く方法で、正常組織の損傷を最小限に抑制することができる。
'SH'とは尾骨の端の部分(肛門の上側)に直径1.3cmの細い注射針(特殊特殊穿刺針)を入れる部位をいう。
仙骨の隙間を経て管が神経管に入って、これを通じて注入した薬物が徐々に拡散することが認められる。